カニの王様、姿は迫力いっぱいのタラバガニ。その甲羅の中にはみずみずしくほくほくとした身がつまっています。その味には淡白だけど旨味が凝縮。白く柔らかい身を召し上がれば、そこから溢れる味わい深さも感じていただけることでしょう。それでもやはりタラバガニの魅力は食べ応え。太くて逞しい脚や胴体の甲羅を躊躇なくはがし、ひたすら身をほおばる気持ち良さはタラバガニならではのもの。親しいもの同士なら作法も遠慮も不要。豪快にその美味しさを堪能してください。

ズワイガニの味が、上品で繊細なのは厳しいオホーツクの海で磨かれたからでしょうか。ともかくズワイガニを食べた瞬間に感じるのは、甘みと旨味が調和した洗練された味わい。ズワイガニがカニの女王と呼ばれているのもなるほどと頷けます。しかしズワイガニを食するなら、カニミソを忘れるわけにはいきません。潮の香りとカニの旨味が凝縮したカニミソの中にこそ、ズワイガニの旨さがあります。そのコクと豊かな味わいに満ちたカニミソを、心ゆくまで味わってください。

カニ好きにとって毛ガニは、やはり特別なカニのようです。きめ細やかな肉質の身に、濃縮された甘みと旨味。それが一つになってパッと口に広がる瞬間は、まさに至福の時です。ほのかに漂う毛ガニならではの潮の香りも食欲をそそることでしょう。そして胴体の甲羅を外した時に出会うのは豊かなカニミソ。濃厚なのにスッキリと洗練されたその味は、カニ通にはたまりません。食事はもちろん、日本酒などのお酒との相性も抜群。毛ガニを肴に、贅沢な晩酌はいかがでしょうか。